大河ドラマ雑感、『龍馬伝』とか『草燃える』とか

 『龍馬伝』は例によって坂本龍馬がかっこよく描かれてて、龍馬さんにlove is blindな人たちはそれでいいんだろうけど幕末群像を見たい私にはいまひとつかなあ。吉田東洋の迫力が頼みだが。

 そこ行くと『草燃える』は実にいいね。主人公である源頼朝は義弟北条義時の女とやっちゃって出奔に追い込んだり、北条政子は頼朝の浮気相手への嫌がらせで発狂に追い込んで高笑いしてたり。女癖の悪さはともかくとして、頼朝が権力とバランスのためには情に左右されないところがよく描かれていてよい。一癖二癖ある関東の豪族たちの上に君臨するために朝廷に利用されないためにまた将来に禍根を残さないために、斬るべきはたとえ娘の許嫁だろうと斬ってしまう。天下人たるの器である。情が薄いわけではないが甘いことは言わないしやらない。『太平記』では足利尊氏の甘さがいろいろなトラブルの元になっていたりするのとは対照的だ。