『龍馬伝』第一回感想

 感想っつうほどでもないのだが。

 ガチャガチャとカメラを動かす撮り方は落ち着いて見ていられずいらいらする。若者らしき躍動感を描き出したいということなのか。カメラが30pのプログレッシブ撮影にかわったというのはいいのだが(『天地人』までのぺらぺらとした画面よりはいい)、もっと端正に撮影してもいいんじゃなかろうか。新しいオモチャを得て遊んでる感じがする。

 内容については、むくつけき男たちが泥だらけになっているので私好みの話になりそうと思ったがどうもそうではなさそう。とりたてて理由もなく「憎しみではなんも解決せん」みたいな(安っぽい)セリフが出てくるのにはに不安を感じる。これが土佐勤王党のテロと弾圧のあとに出る言葉であればまた重みも違うのだが。
 わざわざ岩崎弥太郎という視点を置いたのは、龍馬を美化して描くためのものなのだろうし、葛藤しながら時代を動かしていく男の人生を描くというよりはほんとに典型的な救世のヒーローを描くつもりなんではないか。そうすると今までのどの大河ドラマとも違った感じにはなるだろう。
 だが私が見たいものかというとちょっと。やはり現実に直面して鬱屈している岩崎弥太郎の話に惹かれるし、岩崎のドラマとしてならああいう坂本龍馬が出てきても不満はないのだが。でも「龍馬伝」なんだよなあ。
 まあもうちょっと見続ける。