細田守監督『おおかみこどもの雨と雪』見たよ。よかった。

 『おおかみこどもの雨と雪』、この映画がいいなあと思うことのひとつは、あれだけ素敵な母親として描かれている花ちゃんのその母性が、雨と雪という子供たちにとっては一種のまじない=のろい(どっちも「呪い」か)として機能してることで、最後にそれが解ける(子供たちが自分でそれを解く)ところで話が終わるところですね。あのまじないは劇中では文字通りのおまじないとしても描かれていますが、家族が人の世界で生きていくためには正しいことなので、それ自体は悪いことではないのですが。それは同時に子供たちを彼女の元へつなぎとめていくまじないでもあります。そしてそれが花ちゃんの(というか母性の?)限界なんでしょうね。
 あれだけ完璧なお母ちゃんにでも限界があるんだ、それを超えて子供たちは行ってしまうのだ、ということを描いているので、私はこの映画が好きなんです。