さいきん見た映画

 本数だけは見ているのであった。

 『北北西に進路を取れ』午前十時の映画祭。女優さんはそれほどでもないがドツボにはまる感じがおもしろかった。
 『反逆児』中村錦之助特集上映。戦国戦記ものかと思ったら嫁姑のもめごとの話だった。
 『沓掛時次郎 遊侠一匹』股旅もの。錦之助さんと渥美清というコンビが冒頭少しだけ出てくるんだがこれでシリーズ作ったらほんとにおもしろかったろうなあと思う。
 『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』忠臣蔵の映画は東映オールスターの松田定次監督作品3本がベストということであるらしいがその1本。錦之助さんの浅野内匠頭、大川恵子の瑤泉院は実に美しい。大友柳太朗の堀部安兵衛は無骨っぽくていい。立花左近と土屋主税のくだりがないのが残念だが入れるとあと30分は長くなっちゃうね。
 『関の弥太っぺ』股旅もの。股旅ものは二代目錦之助さんの仰るには最近は舞台にかけても人気がないということなんだが、武士の矜恃みたいなのよりも渡世人の悲しみのほうが普遍性がありそうに思うんだけどどうなんだろなあ。
 『江戸っ子繁昌記』芝浜が題材なのだが「飲むのはやめとこう。夢になっちゃいけねえ」がない。かわりに酒を飲むシーンがあるが、飲んでも夢にはならなかった。皿屋敷も題材だが別に青山の殿様が幽霊に苦しむという筋立てはなく、三河以来の旗本が幕府に厄介者扱いされているという描かれ方をしていて、そのうち幡随院長兵衛とケンカでも始めるのかと思ったがそうはならなかった。ちゃんとチャンバラがあって武士の悲劇町人の悲劇があって重くなりすぎす最後に少し気分がよくなって年越しという構成がうれしい。
 『おまえうまそうだな』28日で終了ということで有楽町で見てきた。『あらしのよるに』みたいな話かと思ったが親子関係の話だった。血縁関係を持たない3代の話と実際の父親とのやりとりとかなかなか複雑なドラマであった。それはともかく自然の摂理に従ってるだけのゴンザがなんか悪役になっててかわいそうだった。