さいきん見た映画『時をかける少女』谷口正晃監督、3/14(日)新宿ピカデリー1、13:10の回

 映画見てて最近とみに思うことのひとつは、結局女優が美人だったらそれだけで十分なんじゃないかということで、アイドル映画ってのは本質的にそういうことなんだし、というわけでこれは仲里依紗のアイドル映画だからたぶん問題はない。

 出来がいい作品というわけではない。タイムリープするまでの段取りはひどいし、昔のバス事故についてのニュースもかなりわざとらしい。主人公は、母の約束の人である深町くんを探しに過去に行くわけだが、そもそも深町くんが未来人であるなんてことは観客は知っているわけで出来の悪いミステリを読んでいるような感触もある。どうせならストーリーを映画作りの手伝い一本に絞ったほうがすっきりしたんじゃないか。

 時かけってのは月並みにいえば悲恋の話だし、だからひとつの痛みを抱えて生きていくという結末でよいのかもしれないが釈然としない。時をかける少女とは失われていく青春の恋と同時に約束と未来への決意の物語でもあって、和子は約束のために薬学の道に進む決意をしたのだろうしアニメ版の真琴だって具体的なことはわからんがそうだったろう。しかし、あかりと涼太の間には約束も何もなく単に喪失があるだけである。

 とかなんとか文句はいくらでも出てくるのだが、まあいいんだよ仲里依紗が元気そうだから。あかりと涼太の二人が関係を紡いでいくのがこの映画の主眼であって、それが決定的に引き裂かれてあかりは憶えてすらいないという結末はまさに時かけなのであってそこに感極まっておけばいいんじゃないの。でも仲里依紗は全然えろくないよな。